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仕事ができると認められて、課長に昇進して思いきり働いていたAさん。ある出来事から「上司も部下も、私を認めていないのでは?」と気になるようになりました。最近は眠れなくなって、食欲もありません。仕事の能率も下がり、何をするのも面倒な気持ちで、些細なことで不安になります。心療内科を受信したら、うつ状態と診断されて、医師から少し休むように勧められました。
従業員100名の会社。厳しい経済情勢の中、職場の環境は忙しさを増すばかりです。うつ状態までは行かなくとも、ほとんどの社員はストレスを感じながら働いています。
このような職場で働いている同僚は、うつ状態になったAさんに、どう対応したらいいのか戸惑っています。
職場の上司と健康管理課は、事態を重く見て職場の近くの保険センターに相談しました。
Aさんが職場に戻ってくる前に、うつ状態についての知識を学びました。上司は、しばらくの間はお試し出勤で様子をみることに決めましたが、同僚からはいろいろな意見がでました。Aさんの業務を見直すために、Aさん自身や主治医とも話し合いました。
短時間の「お試し出勤」から始めて徐々に仕事を調整し、Aさんは外来治療を続けながら、職場に戻ることができました。Aさんは不甲斐ない自分と、周りへ迷惑をかけた申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
今の職場では人員不足の中で目標管理は厳しく、その結果の配置転換やリストラが行われています。若くて昇進すればそれだけ重い責任がかかります。家庭では、子供は思春期、親の介護など家族の問題も大きくなる年代です。誰もが重い負担を抱え、時にはこころの健康を崩してしまうこともあります。
お試し出勤は本人にとって強い緊張を伴います。ですから「がんばれ」などの叱咤激励は禁物。今までと同じ接し方で、さりげなく本人の仕事ぶりを認める声かけや、評価を伝えると良いですね。
健康に関する話は個人情報です。しかし全てを秘密にする必要はなく、本人の了解を得て必要な情報を共有しましょう。秘密を守ってくれて安心して悩みも話せる仲間は、こころの健康を取り戻すときのカギになります。まずは自分から、誰かの「安心して話せる仲間」になってみてはいかがですか。


