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Cさんのわがままがひどくなってきたのは思春期の頃でした。両親は、最初は反抗期だからと思っていましたが、そのうちに昼夜逆転の生活になり、些細なことで物を投げ、暴れだすようになりました。時には母への暴言、暴力があり、家中の壁や家具はボロボロの状態です。
父は母に「お前の育て方が悪い」と責めるだけでした。母は「すべて私が悪い」という気持ちに追い込まれ、腫れものに触るようにCさんに接するようになっていました。
困り果てて近くの精神保健福祉センターに連絡をして相談をすることにしました。病院の思春期外来を紹介され受診すると「しばらく家族から離れて休みましょう」ということで入院しました。精神科の病気と診断されたのです。
両親、特に父は、子どもを精神科の病気とは認めたくありません。「世間体が悪い、家の恥、本人がかわいそう、私の育て方が悪かったせい」などという複雑な気持ちから、人に話すことはできませんでした。
実はCさん自身もつらい思いをしていました。周りの人の視線が怖くて、悪いことすべてを「お前のせいだ」と責められていると感じていました。急に不安に襲われたり、イライラしたり、そんな自分のつらい気持ちが相手に理解してもらえないから、気持ちが爆発して、物や人に当たっていました。そして、自己嫌悪に陥るという悪循環が続いていました。
入院中に担当看護師とCさんは、なぜこうなるのかについて、入院するまでの出来事を一緒に振り返り、具合が悪くなるときの前触れや、どのように対処すればよかったのかを考えました。
- 病気が悪化しないように・・・・
- 薬を規則正しく飲む/睡眠を十分にとり、朝はしっかり起きる
- 急に不安になったときには・・・
- 主治医が出してくれた頓服薬を飲む/気分転換をする/相談できる人に話をする
治療を続けながら、看護師は両親に家族会を紹介しました。最初は母が参加し、そして父も参加するようになりました。同じ経験を持つ親同士なので、子どもの病気について隠さずに話すことができます。父も、子どもは病気だと認めることができ、夫婦で話し合えるようになりました。
退院後は訪問看護師が定期的に自宅を訪れ、Cさんは家族と暮らせるようになりました。
家族同士でお互いを責めても解決にはなりません。消耗するだけです。
Cさんの両親が最初に助けを求めたのは、都道府県の精神保健福祉センターです。名前や住所を伝えなくても相談できます。これが受診するきっかけになりました。
調子が悪くなる前触れは人それぞれです。例えば、生活のリズムが乱れる、食欲減退、眠れない、部屋にこもるなどの前触れです。自分の症状を知って、ひどくなる前に対処できることが、回復への大きな一歩になります。


